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心配して見舞いに来てくれた母ちゃん

この記事の所要時間: 133

これは、私の父親の話です。

私の父親は、十年ほど前に大腸がんを患いました。

幸い、発見が早かったのと、場所が良かったらしく人口肛門を付けたりすることなく、少し大腸を切り取るだけでいいことになりましたが、大きい手術であることに変わりなく、本人は死ぬかもしれない…。
と思ったそうです。

手術も無事終わり、病室に入って何日か過ぎた頃、寝ていた父は誰かの気配を感じたそうです。

その、誰かの気配は心配そうに、しばらく自分を見下ろして、もう一人いた看護婦さんらしき人と、枕元の方向に行ってしまったそうです。

「ああ、母ちゃんかな~(私の母親の事)」
と思っただけで、怖くなかったそうです。

何気に時間が気になった父が、時計を見たら2時。

お昼かと思いきや、まだ部屋は暗く

「こんな夜中に何しにきたんや?」
と思いつつ寝てしまったそうです。

 

翌日、母に聞いたところ、勿論そんな時間に面会に行くわけがなく、不思議に思っていたのですが、よくよく思い出すと、看護婦さんの服装が変だったらしいです。

 

服装というか、帽子が今のナースキャップではなく、大きなぶかぶかの昔の看護婦さんがかぶっていたようなものだったらしいです。

そして、病床の枕側は壁でそっち方面には人間が行けるわけがないと気付いたとき、父はある人物に思い当たりました。

 

父の母親…つまり、私の祖母は父が中学生の時に、まさに今父が入院していたこの病院で亡くなったそうです。

父の記憶では、亡くなったときの病棟も同じ場所だったそうです。

 

「母さんが心配して、見に来てくれたのかなー…」

そう呟いた父は、少し嬉しそうな顔してました。

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