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背後に強い人の気配を感じた不思議な出来事

この記事の所要時間: 354

学生時代の春休みのことです。

下宿の仲間は帰省していて私一人が残って課題に取り組んでいました。

何日目かの徹夜で課題を仕上げてうとうとしていた、ある明け方のこと、背後に強い人の気配を感じたと思うと聞き覚えのある声。

 

「なぁ、溶接教えてやるから、道具用意すれや…」

 

それは、Y叔父の声でした。牧場を経営していましたがここ2年ほどは病気で入院生活を送っていたのです。
(器用な人で、家や牛舎を自ら設計して建てて、設備関係も独学で工事をしあげてしまうほどでした。機械いじりの好きな私は200キロ離れた病院へ見舞いと言っては度々訪ねて技術的な話を聞かせてもらうのを楽しみにしていました…)

「おじさん…?」

ぼんやりしていると、外で電話のベルの音。下宿のおばさんが取り次いでくれたのはY叔父の訃報でした。

すぐさま、下宿を飛び出し病院のあるA市へ向かう急行列車に飛び乗りました。

時間ぎりぎりで切符を買う暇も無かったので、車内で車掌に事情を話すと

「切符を用意してきますので、この席でお待ちを」

との返事。

しばらくして、車掌が切符を持ってきてくれたのですが、なんと

「お待たせしました。お二人分ですね…」

と言い出します。

「いや、自分一人ですよ」

「あれ…失礼しました」

というやりとりでその場は済みました。

 

A市について病院に向かい、Y叔父と対面。病理解剖を待っている間、叔母や牧場の近所の人たちと思い出を語り合っていました。
そのとき、Y叔父は旅行が好きで、中でも汽車の旅にはひときわ関心が強かったことを知りました。

酪農をやっている身では旅行なんてなかなかできません。
それゆえか、家から300キロ離れたA市の病院への入退院には車ではなく汽車に乗ることを強く望んでいました。

事実、最期の入院となったときは自らも覚悟を決めたのか家族や付き添いの近所の人、看護婦さんの分までグリーン券を奮発したほどです。

解剖が終わり、棺に入ってきたY叔父はきれいに死化粧を施され、結果を説明する医師の声に聞き入ってる様にも思えました。

 

叔父は棺に入って帰宅することになりました。今度ばかりは汽車には乗れないのです。
が、車の都合で私一人があぶれてしまいました。
そこで、車に入りきらない本の束を持って(技術関係の専門書です)私一人、汽車で牧場のあるH町に向かうことになりました。

汽車の中で本をめくりながら、叔父が説明してくれた工事や機械のこと、元気になったら生まれ故郷の信州へ一緒に行こうと言っていたことなどを思い出しながら過ごしているうちに、乗り換えとなるN駅に着きました。

と、このときです。本の包みがやたらに重くなっていたのです。包んでいた風呂敷が少しばかりですが裂けたのです。どこにもひっかかっていないのに…

やっとの思いで乗り換えを済ませ、2時間ばかり走ってH駅に着きました。何時の間にか外は真っ暗。車内には乗客は私一人しかいませんでした。

重い包みを抱えてホームに降り立つと…車掌が車内を回っています。終点でもないのに。
やがて運転士も客室に入ってきました。さらに駅の事務所から駅員や助役もやってきました。

 

「確かにHまで行くって言ってた。この汽車で良いのかってなんべんも念を押してきたんだ」

と運転士。

 

「俺もみたさ。H駅で申し送りあったんだ。病人だからよろしくってな…ついさっきまで姿見えていたんだ」

と車掌。

 

真冬の北国では乗り過ごしに気を遣うことは知っていましたが、様子が変です。

そして、彼らは私に向かって尋ねてきました。

「学生さん、見なかったですか?」

年齢や格好を聞くとY叔父にそっくりです。

そのとき、何事かと様子を見にきていた保線区の人が声を上げました。

「それ、Yさんでないか?あれ、あんた、Yさんとこの親戚の…」

私が事情を話すと皆、無言で頷いて合掌してくれました。
保線区の人たちは技術関係の勉強が縁でY叔父とは顔なじみだったのです。

一人が本の包みをなでながら

「Yちゃん、よく帰ってきたね…」

と語り掛ける中、汽車は発車しました。

 

「おじさん、着いたよ。牧場へ帰ろう、みんな待っているからね…」

そう話し掛けながら持ち上げた包みは嘘のように軽くなっていました。

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