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お面恐怖症の原因

 2015.04.03     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 72

俺の体験した話。

9年前の夏、その日もいつも通り夜中まで起きていて、2時過ぎくらいだったと思う。

見てたTV番組が終わったから、なんとなくコンビニにアイスでも買いに行こうかなって思った。

うちは田舎だから一番近いコンビニまで歩いて15分くらいかかる。

いつもは短い距離だけど車で行ってた。でもその日は涼しかったし、散歩がてら歩いて行くことにした。

夜に散歩するのってなんかテンションが上がった。コンビニまではカーブのかかった一本道。

夜中だし車はまばら。間隔は広いけど街灯もある。道の両脇に枝状に50m程度の路地が3本程度あって、路地に面して家がならんでる。

路地の突き当たりはガードレールがあって行き止まり。その先は田んぼ。

つまり俺の通ってた道は田んぼの真ん中を貫いていて、その道の回りに徐々に家が建っていったってカンジ。

並んでる路地から路地へはいったん大きい道に出てからじゃないと行けない。奥で通じてない。

間に家があるからその道をプラプラ歩いていたら後ろから誰か来る。音で分かったんだけど、後ろをチラって見たら後ろの方から3人の小さい女の子が横に並んで手を繋いで歩いてくる。

街灯があるとはいえ間隔が大きく空いてるので顔を確認できるほどは明るくない。

 

 

その時は普通に

「こんな時間に何してんのやろ?遅までやってる塾とかあるんかな?俺と同じコンビニいくんかな?」

とか考えてた。ちょっと気持ち悪いっていうのもあったんで、若干早歩きで歩いた。

でもチラチラ見てると女の子達はどんどん追いついてくる。走るのも格好悪いので、先にいかそうと思った。

ジュースの自販機の前に立って、金を入れて……後ろを女の子達が通り過ぎていく。無言で。

欲しくもないジュースを買って、女の子の後ろを歩き始め気づいた。

「(この子ら同じ格好してるなぁ…)」

そう、膝くらいのスカートに白いシャツ。色も濃淡から言って同じだと思う。それに髪型も一緒。

一言も喋らない。

「(学校の制服かなんかかな?)」

と思いつつも気持ち悪くなってきて、今度はゆっくり歩いて距離をとることにした。

しばらく歩くと路地が見えてきた。前を行く女の子達はその角を曲がって路地へと入っていく。

俺は正直ホッとした。

 

100メートルほど進んで(距離はだいだい)次の路地が見えてきた。

路地にさしかかろうとしたその時、目の前をさっきの女の子達がその路地から出てくる。光の加減か顔が確認できなかった。怖かった。また無言で前を歩き始める…

俺はその路地の入り口で立ち止まって奥を見てみた。やっぱりさっきの路地とは通じていない。

さっきの路地とはだいぶ離れてるし、その間は田んぼ。田んぼのあぜ道を通ってくるのも無理。

田んぼと住宅のある路地とは1メートル以上高低差がついていて上がることなんか出来ない。

なにより俺は女の子がいなくなってから早歩きのペースに戻していたから、路地の奥まで行って田んぼに飛び降りて、真っ暗なあぜ道を走ってまた路地になんとかよじ登り、素知らぬ顔で路地から俺の前に出てくる、なんてこと出来ないはず。

 

そんなことを色々考えたら余計怖くなってきて、コンビニに行くのはもうやめようと思った。

とりあえず怖いから持ってた携帯で友人にに電話。出ない。他の奴にも電話。出ない。

しかたがないので電話するフリをして道を引き返す。後ろから女の子達もついてくる…絶対ヤバイと思った。かなりの早歩きで歩いた。

さっき女の子達が入っていった路地の前を過ぎる時、その路地から女の子達が出てくるのが横目で見えた。後ろにはいない。横から出てきた。

もう競歩なみに早歩き。なんとなく走ったらヤバイと感じてた。

 

後ろも見ず必死に歩いて家に着いた。家に入ってから追ってきていないか気になった。

でも玄関を開けて見るのは怖かった。

俺の家はトイレから家の前の通りが見渡せたのでとりあえずトイレへ。

トイレの窓をちょっと開けて見てみた。道を挟んだ向こう側に3人の女の子達が立ってこっちを見てた。

トイレの窓から覗いてる俺の方を。3人手を繋いで。初めて顔が確認できた。無表情だった。

無表情で黙ったままじっとこっちを見てた。

女の子達が道をわたってこっちに歩いてくる。

トイレから飛び出して2階の自分の部屋に走った。行く時に照明をつけたままだったのが良かった。

友人への電話も繋がった。その日は朝まで友人と喋ってた。

 

その友人と話していたのはやっぱりさっきまでの体験の話だった。友人は面白半分に、

「そういう遊びしてた子らやったんやて。6人おったんやて。」

なんて言ってた。自分自身も冷静になって考えてみると霊とかの仕業にするのは馬鹿らしく思えてきた。

「お前実は口リコソやろ?自分の願望が幻影になってみえとんねん!」

「口リコソちゃうわ!それに俺はショートの方が好きやっちゅーの」

なんて話していて、ふと気になった。

「俺、さっきから話してて女の子の顔がどんなんやったか言ったっけ…?」

「いや、聞いてへん。3人とも同じ顔やったんちゃうかなって、勝手に思ってた」

そう。しっかり見たはずなのに思い出せない。

3人の顔が同じだったのか、違ったのか?

かわいい?かわいくない?

無表情なのは覚えてる。でも顔のイメージが凄く希薄だった。理由がわからない。

また訳もなく怖くなった。

 

翌朝、母親にこの話をしてみると笑いながら

「またアンタはそんな訳のわからん話をする」

また?また?

そして急に思い出した。俺が子供の頃の不思議な体験。

それは多分幼稚園か小学校低学年の思い出だと思う。俺は家族でどこかに旅行に行っていた。

旅行先でお祭りがあって…縁日の出店が並んでた。通りの両脇にずらり並んだ店。

俺と姉は親と離れてウロウロしていた時、怖いマスクの店を見つけた。

お面じゃなくてマスク。フランケンシュタインのだったり、血を流したドクロみたいなのだったり。

ズラってならんでた。俺も姉も欲しいと思った。そういうマスクを見たの初めてだったから。

で、後から来る親を呼びに行った。親を連れてくる。

店がない…

 

マスク屋の横の店で買ったトウモロコシは手に持ってる。その隣にあるはずのマスク屋がない。

あるべき空間も無い。トウモロコシ屋のとなりは別の食べ物の店だった。俺と姉はお互いに必死で言い合った。

「ここにあったもん!」

「ここにあった!」

って。

そのあと必死に探した。でもそこまで大きなお祭りじゃないから端から端まで見るのなんてすぐ終わる。

やっぱりない。

それでもまだ欲しかったから、俺は1人でウロウロしてたんだと思う。で、迷子になった。

ワァワァ言いながら泣いてたその時、後ろから「お面」を被った同い年くらいの女の子3人が歩いてきて…

何故か必死で逃げた。怖かった。どんなお面だったかは思い出せない。でもマスクじゃなくてお面だったのは覚えてる。

親を見つけて必死で訴えた。変なのが追いかけてくるって。

でも俺の後ろには誰も追ってこなかった。お面をつけた女の子もいなかった。

 

結局その女の子達がなんなのか、その後も分からなかった。

ただ、一つだけ分かったことがある。それは自分の「お面恐怖症」の原因。

もう29を超えてるのに恥ずかしい話だけど、俺は「顔が見えないモノ」が凄く怖い。

「着ぐるみ」もダメ、ピエロもだめ。親しい友人でもお面を被った瞬間に恐怖の対象になる。

ディズニーランドなんか絶対行けない。理由もなく怖い。

これは小さい時からそうだったので、ずっと原因が分からなかった。

でもこの体験のおかげで思い出せた。

またそれは、小さい時にその女の子達に自分が会っているという証拠でもあった。

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