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キュルッキュルッという音と共に現れた人影

 2015.04.24     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 545

私が最初に就職した会社で体験した話です。

その会社は中国からの輸入雑貨を扱う商社で、アルバイト合わせても12~13人しかいない小さな会社でした。

長くなっちゃうので省きますが、色々事情があって、私は一人で土曜日に会社に来て仕事をしていました。

会社は小さいけど綺麗な雑居ビルというかオフィスビルの3階にありました。

わが社の入口は4枚のすりガラスで、中央の2枚がドアです。

私は入口に体の左側を見せる形で、パソコンで仕事をしていました。

 

遅めに会社に来たので、あらかた仕事が終わった頃には、もう夕方になっていました。私がイスの上で伸びをしていると、廊下の方からキュルッキュルッという音が聞こえてきました。誰かが押している台車の車輪がきしむような音です。

会社の入口を出て左手がエレベータと階段室、右手にはあと2軒くらいオフィスがありました。そのオフィスの人が荷物を運んでるのかなと思い、ぼんやりと入口の方を見てると、すりガラスの向こうを台車らしきものを押した人影が通り過ぎて行きました。

あ~、やっぱり誰か居るんだ、と思いながらも心の中で何かが引っ掛かっていました。

ただそれ以上に、同じ階で他にも働いてる人がいるのがうれしくて、私はまた仕事のペースを上げて2時間ほどで作業を終え、最後にプリンタから印刷物が出力されるのを待っていました。

 

 

廊下の方から、またあの音が聞こえてきました。

お、まだ居るんだって思いながら、またすりガラスの向こうを人影が通り過ぎるのを見ていました。さっきよりは入口に近い所にいたので、その人影がスカートをはいた女性だというのも見てとれました。

でもそこでさっき見た時に、何となく心に引っ掛かってた事が、はっきり分かりました。その人影はすごくゆっくりと通り過ぎて行ったんです。さっきはともかく、今はもう外も暗くなっています。普通は急ぐものではないですか。

おや、と思った私は入口のドアを開けて、廊下を見ました。あんなにゆっくり歩いていたのに、誰も見当たりません。右手にある2軒のオフィスも、明かりが消えて真っ暗です。人の気配はありません。

 

私は急に怖くなって、印刷物は取りあえずデスクに乗せ、片付けをして帰る事にしました。明かりを消す前に廊下の気配をうかがってみましたが、何も感じられません。ドアを開けて確認しても、誰もいないので、明かりを消して廊下に出て、オフィスのドアの鍵をかけ、急いでエレベータに向かいました。

ところがエレベータの階数表示のランプが点いていないんです。ボタンを押しても何も反応がありません。本当に背筋がぞっとしたのですが、このまま居るわけにもいかないので、恐る恐る隣りの階段室のドアを開けました。

 

息を殺して気配をうかがいましたが、薄暗い階段室からは、物音一つ聞こえて来なかったので、思い切って階段室に入り、階段をおりかけたところで、いきなり2階の階段室の扉が、スーって感じで開きました。鉄の扉なのに音も無くスーっと。

私はあまりにも驚いて固まってしまい、2階を凝視してました。最初に音が聞こえてきました。キュルッキュルッという、あの音です。そのあと視界に乳母車が入って来ました。ベビーカーって感じじゃないです。本当に古臭い、乳母車という感じので、黒ずんで汚らしかったのを覚えています。それがゆっくりと階段室の踊り場に入って来ました。

乳母車を押していたのは女性でしたが、その格好が普通じゃありませんでした。白い長袖のブラウスのようなものを着ていたのですが、右手の部分だけ肩まで袖が無くなっていて、腕は真っ黒でところどころ皮が剥けたように、真っ赤になっています。顔は長く垂らした髪の毛でよく見えません。

 

あまりの異様な光景に、私は息を飲み、喉がヒュッと音を立ててしまいました。その瞬間、下りの階段の方に向かっていた、その女の人がぴたりと動きを止め、ゆっくりと上りの階段の方に向きを変え始めました。こっちに来る!そう思うと一瞬足がすくみましたが、慌てて逃げようと階段室を出ました。会社のドアまで、走れば10歩もありません。私はポケットから鍵を出しながら、階段室の扉に目をやりました。スーッと階段室のドアが開き、乳母車の先端が目に入ってきました。私が階段室を出てから、まだほんの10秒くらいなのに、そんなに早く上がって来るなんておかしい…人間じゃない!

 

私は恥ずかしい話ですが、半分腰を抜かして、座り込みながら鍵を開け、這うようにオフィスに入ると、中から鍵をかけました。そこからまた這うようにして、一番奥の社長のデスクの後ろに隠れ、息をひそめてすりガラスの方を見つめていました。

あのキュルッキュルッという音が聞こえてきて、やがてすりガラスの向こうに影が見え始めました。行ってくれ、行ってくれと心の中で祈りながら見ていると、影はオフィスの前をそのまま通り過ぎて行きました。やがてあの音も消えて、あたりは静かになりました。助かった!と思ったのですが、私はまだ怖くてしばらく動けずにいました。

 

意を決して扉の方に向かおうとして立ち上がった時…またあの音が聞こえてきたんです!キュルッキュルッて。しかも方角は同じでも、今度はあきらかに近くで…部屋の奥の方からでした。心臓が喉まで上がってきたかと思うくらいバクン!といって、同時に血の気が引きました。足がすくんで動けませんでした。ただ音のする方から目が離せなくなってて…やがて窓から射す月明りの中に、女の人の姿が現れました。

顔は右腕と同じように、真っ黒に焼けただれていて、縮んだみたいに細くなってて、体とのバランスが変でした。他に細かいところは覚えてませんが、忘れられないのは目です。目だけは汚れてなくて、じっと私を睨みながら、ゆっくりゆっくり、キュルッキュルッとこっちに近付いて来ました。そこから先はよく覚えていません。風が頬に当たった事、誰かに物凄い力で横っ面を殴られたような衝撃、その感覚だけです。

 

最初に気が付いたのは救急車の中、またすぐ記憶が途切れて、はっきり意識を取り戻したのは、病院のベッドでした。

どうやら私は、3階の窓から飛び降りたらしいです。ビルの入口にあるアクリルの雨避けの上に落ちたので、幸い腕の骨が折れたくらいで済みました。たまたま近くに車を止めて休んでいた、タクシーの運転手さんが気付いて救急車を呼んでくれたそうです。

私はしばらくこの事を、誰にも喋りませんでした。たたられるような気がして。だからあれが何だったのかもよく分からないし、知りたくも無いです。今でもその会社の近くには、怖くて行ってません。

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