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最終電車の怖い終点

この記事の所要時間: 249

立て替える前の実家は元々古い旅館をやっていまして、二階には6、7部屋ほどの部屋がありました。

私は、そのうちの三つ並んだ部屋の真ん中にある三畳の小さな部屋を自分の部屋として使っていました。

そのころから怖がりで、あまり広い部屋だと背中の方向が恐かったりするんで。

隣の8畳間は、兄が使っていました。

 

ある晩、こんな夢を見ました。

自分は、最終電車に乗ってヘッドフォンをしながら電車の座席で眠りこけていたみたいです。

すると、

「トントン、トントン」

と肩を軽く叩かれました。

「もーなんだよー眠いのにー」

と思いながら、私はそれを無視しました。

すると先ほどより強い調子で

「トン!トン!」

と肩を叩かれました。

夢の中とはいえ、私もかなりイライラしてしまい、

「んですか!」

と目を見開いて体を半起こし、肩を叩いた方を振り向きました。

すると、そこには車掌が立っていました。

帽子を目深にかぶっており、表情はよく分かりません。

 

周囲には誰も居ません。

電車はホームに止まっているらしく、周りの照明もかなり薄暗いものに落とされていました。

また、霧深い様で周囲の様子も伺えません。

 

車掌はかなり焦った様子で

「お客さん、終点ですよ!」

と私に告げます。

寝ぼけていた私は

「終点…?」

と車掌の言う事がうまく理解できずにいました。

すると、車掌は一層焦った様子で

「早く降りてください、それとも○○(聞き取れず)に行きたいんですか!」

と私をせかします。

私は

「あ、ここで降りなくちゃいけないのかな」

と理解できた様で、立ち上がってドアに向かってノロノロと歩き出しました。

 

電車の外からは

「終点~、終点~、次は○○に入ります(車掌と同じ事を言っているみたいですが聞き取れず)」

とアナウンスが静かに響いています。

 

「あ、車庫ね」

、と私はやっとこの電車が次にどこに行くのか理解できました。

起こしてくれた車掌さんに感謝しつつ、私はゆっくりとドアを開き、一歩外に踏み出しかけました。

すると、背後から車掌がものすごく大きな声で叫びました。

 

「お客さん早く降りてください!!!、それとも」

 

そこにかなり大きめのボリュームで場内アナウンスがかぶさりました。

 

「終点~終点~、次はジゴクに入りまーす」

 

私は恐ろしくなりホームに飛び降りました。

瞬間、背後でドアが閉まり、電車が音もなく動き出しました。

車掌は閉まったドアの向こうから、白目の無い、真っ赤な目で私の方をずっと無表情に見つめていました。

電車が遠く消えてしまいそうになってもずっと2つの赤い点が私の方を見ていました。

 

ここで誰かに起こされて、全身汗びっしょりで目が覚めました。

後で聞いたら家族は全員ずっと一階に居て、誰も私の事を起こしになど来なかったそうです。

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