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短大の裏手の林の中に置いてあった白塗りの綺麗な木製ベンチを盗んだら不気味な事が起き始めた

 2015.06.13     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 237

近所の丘の上に女子短期大学があって、そこの校舎から少し離れた小さな林の中に、ピアノの練習のための小さな建物がポツンとあって、その建物の前に白塗りの綺麗な木製のベンチがあって、前からいいベンチだなあと思っていた俺は、弟と二人して夏休み中のある夜中に重たい思いして盗んで来た。

うちの家は小さな貸しビルをやっていて、最上階に住んでいたんだけど、狭いながらも屋上があって、その屋上に白いベンチを置いて、夜中にそこに座ってビール飲んだり煙草をふかしたりして、何となくいい気持ちになったりしていた。

 

うちの母親はちょっと霊感みたいなものがあって、ある晩のこと、家族でメシを食っていると、いきなり
「誰か屋上にいる」
と言いだして、それで見に行ってみても誰もいない。

そんなことが何回かあって、足音が聞こえるだの線香臭いだの、不気味な事ばかり言うから、あのベンチに何かいわくでもあるのかと聞き込み調査をしたら、その短大のすぐそばに住んでいる弟の友達から、あのベンチに足をかけてかたわらの木で首を吊った女子学生がいた…という話を聞いた。

 

それは、やっっぱりちょっとヤバイということになって、早速、また弟と重いなあなどと文句を言いながら、夏の終わりの夜中、丘の上にある短大への坂道をベンチを運んで登っていると、もう夜中の2時頃だったというのに、白いワンピースを着た女が坂道を下って来る。

弟と俺は何となく立ち止まって、ベンチを下ろし、女の方を見ていると、その女は手にロープのようなものをぶら下げていた。

それを見た瞬間、俺は弟に
「逃げろ!」
と叫んで、一目散に坂道を走り逃げた。

足の速かった弟は、俺を抜かして、もの凄い勢いで逃げて行った。

「待ってくれ~」
と言いながら俺も懸命に走った。

が、ころんでしまった。痛てっと、起きあがろうとしたが、膝に力が入らない。

ころがるようにしてアスファルトの路面に打ちつけた頭を抱えるようにしながら、見ちゃだめだと思いつつも後ろを向くと、カーブしている道路の端の方に置き去りになっているベンチに、その女は座ってこちらを見ていた。

眼が合ったような気がした。

そこで、俺は気を失ってしまった。

 

どのくらい時間がたっていたのか、俺は弟と母親に起こされた。

俺があまり遅いので、母を起こして、弟が迎えに来てくれたわけだ。

うちは母子家庭だったからというわけでもないけど、家族3人、まあ仲がいい方だったから、母親は文句も言わず、
「さあ帰るよ」
と言っただけだった。

見るのもイヤだったから、弟にベンチにまだ女は座っているか?と聞くと、弟は
「もう、いない」
と言った。

 

次の日、病院に行くと、肘にヒビが入っているということでギブを装着された。

後頭部に腫れがあり、脳震とうを起こしたらしいということで、レントゲンも撮られた。

まあ、そんなことはどうでもいいのだが、あのベンチは元どおり短大の裏手の林の中に今でもある。

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