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廃墟になった住宅地に住んでいた幼い男の子

 2015.06.19     恐怖体験談     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
この記事の所要時間: 219

学校の帰り道、気が向いたので少し回り道をして裏山を通ってみる事にした。

ねこじゃらしで遊んだり、花を摘んだりしながら歩いていくと、幾つかの建物が見えてきた。

(それは廃墟になった住宅地で、そこ自体には何度か行ったことがあった)

「ついでにここで遊んでいくか」と思い、ずんずん奥へ入っていった。

1棟、2棟、…と来て一番奥の3棟に上り、あたりの気色を見回していた時。

うっそうと繁った雑木林の奥に、もう1つ建物があるのを見つけた。

「あれーあんなところに建物あったかなー」と思い、とりあえずそこに行ってみることに。

 

近づいてみると、その建物は他の3棟よりも少し大きく、4階建てだった。

とりあえず、1階に登ると自動販売機があり、見た事も無いジュースが売っていた。

何も書いてない真っ赤なラベルのもの、旧字体がびっしり書いてあるもの、

「血」と書いてあるもの、細かい文字で「ありがとう」とびっしり書いてあるもの…

それを見て少し怖くなったが、とにかく2階に上ってみることにした。

 

2階に上ってバタバタドアを開けまくって遊んでいると、1つだけ開かないドアがあった。

しょうがないので、ドアの新聞受けから覗き込むと、誰かの顔が見えた。

まだ幼稚園くらいの幼い男の子の顔だった。

一瞬ビビったが、向こうからテレビのアンパンマンの歌が聞こえてきたので、
「誰か住んでたのか」
と思いほっとした。

幽霊が出るとき、普通アンパンマンの歌なんか聞こえてこないよな。

安心した俺は、向こうの男の子を笑かしてやろうとバイキンマンの物真似をした。

男の子は、キャッキャッと声をあげて笑った。

俺は調子に乗ってドキンちゃんの物まねもした。男の子はまた笑った。

よし、次は木の枝でも突っ込んで脅かしてやろう。

俺は木の枝を探す為に一旦新聞受けから顔を離した。

木の枝を探す俺の視界に開いたドアが入る。俺はふと違和感を感じた。何かがおかしい…

ドアの向こう側は、新聞受けのポストになっていたのだ。

幼稚園の男の子と言えども、顔なんて突っ込めるはずはない。

それに気づいた瞬間、ドアノブがすごい勢いでガチャガチャと回り始めた。

俺は2階から飛び降り、めちゃくちゃに走って家に着いた。

どこをどう走ったのか全く覚えていない。

 

それから何度もあの廃墟に行ったが、一度もあの4棟目の建物を見つけた事はない。

雑木林の中に友達を連れて行ってみた事もあったが、見つからなかった。

何よりも、雑木林の奥は、崖になっていたんだ。

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