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顔のすぐ傍を超高速で通り抜けた物体の正体

この記事の所要時間: 141

小学校三年の時の夏前の出来事。

あとで考えたら日曜だったんだろうな。

クラス替えで新しく友達になったI君。

I君の家のすぐそばに小さな工場と空き地があった。

その工場を、I君は「お父さんの工場(こうば)」と呼んでいた。

よく工場の横の空き地で遊んでいたんだが、工場がいつもガンガンと大きい音を立てていたのを覚えている。

 

その時、二人は昼なのにロケット花火を飛ばして遊んでいた。

そして、私がしゃがんでジュースのビンに花火をセットしていた時のこと。

私の顔のすぐそばを「ブンッ!」だか「ビュッ!」だか何かが高速で通りすぎるのを感じた。錯覚かもしれないが熱も感じたように思う。

当時の経験では、カナブンやセミとすれ違ったような感じだった。

もっと高速だが。

 

私は興奮し
「今なんかすごいのが通った!」
と叫んだ。

何かスゴイ虫が飛んでいないかI君と探したが何も見つからず、また花火で遊んだ。

それから何日かしてI君は転校した。

彼自身、お父さんが病気で急に決まったと言っていた。

寂しかったが、すぐにそのことは忘れてしまった。

それから何年かして私は中学生になった。

 

同じ小学校の友達と昔話していた時、たまたまI君の話が出た。

実は、彼の父親は改造拳銃を作って暴力団に売っていて捕まったそうで、I君はそのために転校したらしい。全然知らなかった。

それから大人になって気づいた。

あの時、私の横を通り過ぎたのは、恐らく暴発した銃弾なのだろうと。

確証はないが、あの銃弾がI君の父の逮捕に繋がったのはないか?

だとすると、私にとっては洒落にならない怖い話。

しかし、私の父は戦時中川崎の工場で働かされていて空襲に遭い、入り損ねた防空壕に爆弾が落ちて生き残ったって言ってたから、それに比べれば大したことないかも。

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