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住んだ者に不運をもたらすという古い家

この記事の所要時間: 318

私の家の近所には、数軒先に先日まで空き家だった家があります。

もう築30年程たつ古い家です。

昨年、前の持ち主が他界されたので売りに出されておりました。

その家にまつわる恐ろしい話です。

 

前の前の持ち主、Kさんはごくごく一般的な家庭。

両親と中学生の娘の3人暮らしでした。

娘さんは少々神経過敏なところがあり、中学にあがってから親と衝突が絶えなかったようです。

そして15歳になった夏、いつものように親子ゲンカした娘は風呂場で手首を切って狂言自殺を図ろうとしました。

風呂に入り手首を切り…そして貧血のため意識を失ったようです。

30年前ですから、今のようなお湯を入れて終わり、という風呂ではありません。ガス風呂です。

娘は真っ赤に染まった風呂の中で湯だった状態で発見され、体中ふやけていたそうです。

Kさんはその事件の後、すぐに引っ越されました。

 

 

Kさんが引越した後、今度はIさん一家が引越ししてきました。

Iさん一家は両親、大学在学中の兄、中学生の娘の4人一家。

兄は市外の大学だったため、夏休み以外はほとんど家に帰ることはなかったようです。

中学生の娘は大人しく、親に従順な子だったそうです。

その娘が15歳の夏、体育の授業で跳び箱に失敗し頭から落ち、脳内出血で亡くなりました。

原因は友人が壊れていた跳び箱をよくおさえていなかったからだと、母親は娘の友人を恨んでいたようです。

このころ私の母親も、I家を訪れる娘の友人の姿をよく見たそうです。

 

そして半年後、今度は母親が骨肉種を患い、最後は眼球、鼻、唇など全て侵されたため手術で切り取りまるでのっぺらぼうのようになって亡くなったそうです。

そして、その母親の死後から一年もたたないうちに、I家のご主人は友人の紹介で後家さんをもらうことになりました。

 

 

後家さんをもらったI家ですが、後家さんは中々明るい方で近所づきあいも上手。

息子ともうまくやっているようで、この家の住人も今度こそ落ち着くだろうと近所の人々は安心しておりました。

しかし、結婚して一年後。

後家さんは風呂場でガス中毒(鳥が巣を作っていたため)で倒れ、K家の娘のように湯船の中で湯だった状態で発見されたのです。

当時、私は幼かったのですが、救急車とその家との雰囲気をはっきりと覚えています。

禍々しい…異様な。

 

近所では、噂が立ちました。

あの家に住む女性はみんな死ぬ。

亡くなった後家さんに至っては、K家の娘と同じ状態で発見されたため、娘の呪いかもしれないと囁かれました。

いつしか噂は町内の外にも漏れてしまい、近隣住民では誰も知らぬ者は無いほどの有名な呪われた家となりました。

 

I家のご主人は、それからもこの不名誉な噂がたった家にずっと住み続けました。

20余年の歳月が流れ、住民の様子も変わり古くから住んでいるものも、噂を口にすることがなくなっていました。

 

 

そして昨年、I氏は亡くなりました。

息子さんが家を売りに出したのは今年になってからでした。

古いということと、家の雰囲気がどことなく暗いことから買い手がなかなかつかない様子でしたが、今年の夏町内の貸家に入っていた一家の引越しが決まりました。

一家は4人。家中の明かりを点して、今まで暗かった空き家にすっかり活気が戻ったように見えます。

 

 

しかし…。

古くから住んでいる町内の者は、皆息を潜めて事の成り行きを見守っているのです。

なぜなら、一家の娘は現在14歳。来年は15歳。

あの家に住んだ娘は、16歳になれないからです。

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