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心臓麻痺で亡くなった人の火葬で起こった怖い出来事

この記事の所要時間: 137

金属製の扉を閉めて脇にある緑色の大きなボタン式のスイッチを押すと、強烈なバーナー音とダクトの排気音が、この狭い部屋中に響き渡る。

その傍らには、喪服の女性がすすり泣いている。

いま荼毘(だび)にふす、この男性の奥さんだろう。

男性は突然の心臓麻痺で亡くなったらしい。

火葬が終わるまでの間、親族の方に待合室へ葬儀業者の女性が誘導している。

親類の紹介でこの仕事についてから、幾度となくこのような光景をみている。

慣れとは恐ろしいもので、今ではただの作業として職務をこなしているだけだ。

火葬終了のブザーが鳴ると、親族を部屋に呼び込み遺骨を拾ってもらう準備をする。

 

 

金属製の扉を開け寝台を引き出した。

「あっ」

室内の居た誰もが同じ声をあげた。

火葬したはずの遺骨がそこにないのだ。

バーナーで熱くなった炉内がさめるのを待って、炉内をしらべたがやはり遺体も遺骨もなかった。

炉は全部で3基あって、ひとつの大きな煙突につながっている。

もしやと思い、煙突も調べてみることにした。

 

暗い煙突内にライトを照らすと、そこに清掃用に取り付けたある手すりに、男性がよじ登ろうとしていた。

「だいじょうぶですか?」

声をかけたが返事がない。

仕方なく男性の傍まで寄ってみた。

さきほどは感じなかったすえたニオイが鼻を襲った。

 

「だっ、だいじょうぶですか」

再度、声をかけてみた。

だが返事が返る訳がない。そこにあるのは人間の燻製なのだから。

意味が分かると怖い解説

心臓麻痺で亡くなったとされていた男性が、火葬中にリレイズで心肺停止状態から復活してしまい、熱い苦しいということで脱出を試みて煙突に逃げたものの、燻製状態になって息絶えてしまった。

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