新設校の校庭から出てきた墓石と工事中の事故
私の姉が通う、都立高校の話です。
その学校はつい最近できたばかりの新設校です。
姉が入学した際にもらったパンフレットの写真では、テラスもあってとてもオシャレな綺麗な校舎でした。
私が去年、姉の体育祭を見にいった時なぜか体育祭はその学校の校庭ではなく、すぐ隣にある大きな広場で行われました。
『なんで、わざわざ校外でやるの?』
と聞いた私に、姉は笑って答えました。
『校庭ね、まだ出来てないんだよ。体育の授業も、全部体育館なの。うざいよね~!早くしろって感じ(笑)』
私は、もう3年もたってるのに、校庭がまだだなんておかしいな。
と思いましたが、体育祭の出し物を見ているうちに、そんな事はすっかり忘れてしまいました。
体育祭も終わり、姉はかたずけがあるので私は母と地下鉄の駅へ向かいました。
その時に母が、
『お姉ちゃんの高校、見ていかない?すぐ隣だし』
と言うので、私も乗り気で校舎側へ回り道をしました。
私がメールを打ちながら歩いていると、横にいた母が急に足をとめて言いました。
『○○(私の名前)、ここ…』
私が携帯の画面から顔を上げると、綺麗な校舎…と、その手前にある土地。
校門の中には、およそ校庭とは呼べないただの『土地』がありました。
茶色い乾いた土に、枯れ草が少し落ちていて、周りには工事用のコーンがいくつかありました。
『なんか変…』
私はなんだか嫌な感じがして、母を見ました。
『○○、見える?』
母は顔をしかめて、校庭を見つめながら私に聞きました。
私が首を横に振ると、
『そう。ここ、居るよ』
と母は早歩きで駅に向かいました。
校舎の工事に取り掛かった数年前、校庭を機械で掘っていると、墓石が2つ出てきたそうです。
それ以来、工事中の事故が多く校庭の完成は2年以上遅れ、今だに目処がたっていないとか…
この話は姉が入学当初に、先輩から聞いたと言っていた話でしたが、私は
「『校庭から墓石』なんてありがちで面白くない。」
と言って、すぐ忘れてしまいました。
帰りの電車の中でその事を思い出して怖くなりましたが、母には言いませんでした。
姉は今もその高校に通っています。
そしてこの春、私も高校生になり姉の高校から1キロも離れていない高校へ進学します。
私の進学先の高校は新設校で今年初めてできるのですが、建設予定の校舎には、校庭が設置されません。
都会の方ではないので土地も余ってるんですが…
この記事が気に入ったら
いいね!してね♪
この記事へのコメントはありません。