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霊能者と呼ばれている北海道在住の45歳女性みちかさんpart2

この記事の所要時間: 54

僕には霊能者もどき?の親戚がいる。

通称「みちかさん」。

今現在、北海道在住である。

他の親戚達は、当然ながら彼女の行動にあまりいい顔をしていないし、とりたてて彼女に相談をしたことも無いようだった。

僕もそのひとり。

僕になにかの霊を感じ取っている彼女が好きではない。

しかし、彼女が本物であることはわかっていた。

僕には田中さん(仮名)という親戚がいるのだが、その家を親戚一同で訪ねた後、みちかさんはこう呟いた。

 

「あの家、空気がよどんでるね。」

 

僕と両親はその訪問のかなり後になって、当時15歳だった田中さん家の娘が無断外泊したり、その娘が彼氏を家に連れ込んだりして問題になっていること、そのせいで夫婦仲が険悪になり、さらに田中さんの母と奥さんも今まで以上に無いほど仲が悪くなっていたことなどを知る。

しかも、離婚話まで後に持ちあがった。

訪問した時は、何の予感もなかったのだが。

彼女が事前に知っていたという事はあり得ない。

彼女は、僕の両親を除いて少し親戚から避けられているので、親戚関係の話は僕の両親から伝わるからである。

後で、田中さんの離婚騒ぎがわかった時、両親が彼女にその事を話すと
「ふーん。」
と言っただけで、興味が無いようだった。

「あんたは私から何か言われるのがイヤなんでしょ?」
と彼女は言う。

よくわかってらっしゃっる。

人生は其の基本において自分で切り開くものと考える僕は、たまに迷惑をかけてしまう両親や家族の忠告を除いて、占いや霊視の類を信じないのである。

 

「時々心配になる。あんたは境界にいるからね。いろんな意味で。ま、あんたのおばあちゃんに感謝しときな。」

境界?なんだそれ?いずれにせよ大きなお世話だった。

幸いにして、洒落にならないほどの霊体験は今まで僕自身には起きてない。

洒落にならないほどの実体験なら結構あるが。

それでも、何故だかみちかさんには惹かれるものがあった。

それが何なのかはわからない。

好きではなく、興味の対象…といったところだろうか。

ともかく親戚関係で北海道を訪れるたび、みちかさんの話を僕は聞くようになっていく。

そんなみちかさんの話。

 

 

例のごとく知人に
「ちょっとみてほしい。」
と頼まれた彼女は、A市まで車で知人と出向いた。

そこの団地のとある2階の部屋。

「なんかね、イヤだね。どよーんとした空気がさ。」

そこには、一人暮らしのおばあちゃんが住んでいた。

なんでも、そのおばあちゃんが変な夢を夜見るらしい。

毎晩、誰かに焼かれそうになる夢だそうだ。

その誰かは夢ではわからないらしく、実際恨まれる記憶も無いとのこと。

 

「昼間ではちょっとわからなかったのね。原因が。こりゃ夜まで待たないとだめだってわかった。」

「やぶ霊能者とか言わないでよね。実際私は後天的に霊能力がついたからさ。笑」

”後天的”

僕は彼女が東京で不動産屋の事務をやっていた時を意味しているのかな、と思った。

おそらく事故物件がらみ、そんなところかもしれない。

もちろん、そんなことは聞かなかった。

「で、実際夜になったんだけど…。」

「やっぱりわからないのよ。特に霊が見えるわけでもない。ただね、おばあちゃんが何か隠しているのには気付いた。で、おばあちゃんにこう聞いたの。」

 

「おばあちゃん、昔火事起こしてない?」

 

「そしたら、おばあちゃんぼろぼろ泣き出しちゃって。夜中1時なのに大声で。笑」

「近所の人が起きてきちゃって、『あんたら何やってんだ!』って怒鳴られて。」

「で、とりあえず、中止。」

「また、諦めたんですか?」
と僕は意地悪な質問をした。

「諦めたっていうか、日を改めようと思ったの。」

「で、その日は『もう遅いから明日にしましょう』ってね。」

それで帰ったらしい。

「そしたらね…。次の日の昼に知人から電話があって、おばあちゃん亡くなってた。」

「嘘!?」

僕はめちゃくちゃ驚いた。

「その死に方がすごいの。明け方5時ごろぐらいかな?『ドンドン!ドンドン!』ってドアを叩く音と、『助けて!助けて!』って声がしたから、近所の人が管理人さん叩き起こして、鍵持ってきて開けてもらったらしいの。」

「そしたらね、『ドアを叩く格好で燃えながら、丁度扉を開けた管理人に倒れかかってきた』んだって。」

「管理人は『ギャ―!!』って言っておばあちゃんをあわてて振り払ったの。そしたら、倒れて近くにいた隣の家の人の両足首をつかんで『あ・ん・たのせい…よ…』って言ったらしい。」

僕はブルッときた。

 

「隣の人は、つかまれたまま一瞬動けなくって、両足にやけどを負ったの。やけど自体はたいしたことなかったんだけどね。両足首に手型がバッチリ残った。多分精神やられちゃったね。」

「その人は何か過去におばあちゃんに何かしたんですか?」

「してないでしょ。ただの偶然。その場にいただけでしょ。」

「じゃあ、なんで『あんたのせい…よ…』って言ったんですか?」

「おそらくね、多分過去にあのおばあちゃんが原因の火事で誰か亡くなってるね。それでおばあちゃんずっとそれを後悔してて自分で自分をずっと責めてたんじゃないかな。無意識の内に。だから、あれは自殺だね。」

「だから、何でそれで『あんたのせい…よ…』って言うんですか?」

「それは夢の中で自分をそういう風に責めてたからでしょ。」

ああなるほど。そういうことだったのか。

「いつも霊が怨念かますとか思わないでね。自己暗示も多いんだから。」
と、みちかさんは僕に言うのだった。

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