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夢で追いかけまわしてくる刃物男の顔

この記事の所要時間: 319

一年前、北関東のファミマでバイトしてた時に変な体験した。

俺は夜勤専門で、夜0時~朝8時までのシフト。帰ったら夕方まで寝るという生活だった。

問題は、その時に見る夢だった。夢の内容は、コンビニで働いている俺に向かって、変な男が刃物持って追い掛け回してくるというものだった。

最近、コンビニ強盗が多いから自分で心配してたのかな?と思ったが、さすがに2週間連続で見た時は変に思った。

コンビニの仕事を終えて朝勤の新人の女の子と変わる時に、ふとそんな変な夢の内容を話題にしてみると、その子は不審な表情になって、「私も最近似たような夢を見ます」という。

彼女の夢は俺とほぼ同じ、刃物男に追い掛け回されるという内容らしい。

それも、2週間前にこのコンビニで働き出してからという事だった。

そういえば、この子がバイトを始めたのと、俺が夢を見出したのは同時期だった。

彼女は共感を覚えるよりも気味が悪いと思ったようで、コンビニを辞めたいとまで言い出した。

しかしまだ2週間目だし、店長も良い人だからそうそう迷惑は掛けられない。

俺も夢を見ずにすむなら他のコンビニ店に移ってもよかったが、たかが夢でそこまでするか?とも思った。

とりあえず、この話題は誰にも話さないほうがいい、その内に夢も見ないようになるという結論になった。

 

その日から1週間たった日。

まだ夢は続いていたが、俺は夜勤明けだったので帰るとすぐに布団に横になった。

今までとは違う夢を見た。

夢の中でも俺は布団に寝ていた。

すると、「ガチャッ」と玄関のドアが開く音がして、誰かが足音を立てながら入ってきた。

そいつは、何か重そうな物をズルズル引きずりながら、俺の寝ている部屋に向かってゆっくり歩いてくる。

俺は今までにない恐怖感を感じた。

 

いつも夢に出てくる刃物男だと直感した。

ヤツがいつも持ってる出刃包丁のような刃物を鮮明に思い出した。

俺は布団をめくろうと手を動かしかけたが、いつの間にか金縛り状態になっていて動けない。

その瞬間、この夢の結末を想像した。

ヤツの包丁が布団ごと俺の腹をゆっくりと刺し貫く場面だ。

ズルズルと何かを引きずる音は俺の部屋の前で止まり、ドアがゆっくりと開いた。

右手に包丁。左手には焼けた人間のような黒い塊。そして、喪服を着た笑顔のその男は、コンビニの店長だった。

俺は泣き出してしまった。悲鳴をあげようとしても声も出ず、体は布団から抜け出せないままだ。

店長は、笑顔のまま左手に引きづっていた物を床に放ると、寝ている俺に包丁を向けて飛び掛ってきた。

そこで俺は汗びっしょりで目を覚ました。もうバイトを辞めるのも仕方がないかとすら思い始めていた。

その日の夜の勤務が終わり、俺はそのまま事務所で朝方に来るはずの店長を待っていた。

 

店長より先に、同じ朝方勤務の例の女の子が来ていたが、今日でここを辞めるという。

理由を聞いた時は、「ここより条件の良いバイトがあったから」と誤魔化してはいたが、夢の話を匂わすと表情が変わった。

お互いの夢の内容を確認しあった時には、彼女は手が震えるくらいに動揺していた。

俺は、そのまま店長を待ってバイトを辞めた。

丁度その時間帯を希望していた新人がいるらしく、あまり迷惑は掛からなかったみたいで安心する反面、俺は店長の顔をロクに見る事が出来なかった。

朝勤の女の子も、その日限りで他の職に移ったらしい。

俺は、その日以来夢は見なくなった。結局、原因は今でもわからない。

ただ、事務所で店長を待っていた時に、彼女と一緒に働いていた30代のベテラン女性に店長の事を聞いてみた。

店長は性格が良くて客受けもいい人だが、前科持ちという噂があるらしいと。

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