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天明の大飢饉にまつわる人が人を喰う伝説

 2015.07.12     悲惨な話     コメントを書く     Loadingお気に入りに追加
天明の大飢饉を図解で説明
この記事の所要時間: 656

昔の暮らしの中で、飢饉は言い尽くせないほど、惨たらしいものだった。

天明の飢饉の中では、特に東北地方で顔も背けたくなるような酷い話が残っている。

天明二年。この年は三月頃から雨が降り出し、七月頃まで降り続いた。

その為にせっかく出来た稲も雨のせいで腐り、或いは洪水により流された。

その前の年も、更にその前の前の年も雨のせいで、農作物が腐り、流され、田畑も傷みきっていた。

凶作はその頃から始まっていたのかもしれない。

冬になると急に暖かくなり、菜の花が咲き乱れ、竹の子が出来て人々を驚かせた。

が、それもつかの間で、年を越すとにわかに寒くなり、その寒さは夏になっても続いた。

 

 

七月。

太陽がカンカンに照り、地獄のような暑さが続いた。

人々は何かが起こるのではと予感し、それに畏怖した。

人々の予感は当たった。

 

八月。

地が割れるような大音響と共に、浅間山が大噴火した。

溶岩が村を押し流し、死者の数は数え切れないほど出た。

火山灰の為に、利根川の流れが、変わったともいわれる大噴火だった。

 

その後は延々と続く雨だった。農作物は腐り、木の実は熟さずに木から落ちた。

雨はなおも降り、辺りを暗くして降り注いだ。

それでも手のひら程でも農作物を収穫したいと願っていたが、更にその出来事に追い討ちをかけるが如く、大霜が降りた。

人々は精も魂も抜け果てた。

 

餓えがやってきた…。

前の二年にも続いて、凶作は更に続いた。

葛の根、蕨の根、所々の根を掘り、藁を粉にして練って炒り焦がしにしたものを食って、人々は食いつないだ。

犬や馬といった動物を食い、紙を煮て喰うことを覚えた所では、寺のお経の本を全て煮て食った。

ある領主は心を痛め、飢饉を切り向ける方法を農民に教えたが、それは、泥や排泄物を煮て食えという方法だった。

しかしそれにも関わらず、飢饉は人々を襲った。

 

 

 

ついに、『人が人を喰う』日が来た。

ある家に、吹雪の中を一人の女が尋ねてきた。

「御免くだされ。此方では爺様が亡くなれたよし、片腕なりと、片足なり分けて下され。おらの家の婆様もニ・三日には片が付きそうな様子、その節はすぐにお返ししますんで…。」

そう言って死人の肉の貸し借りさえあったそうだ。

 

 

八戸という所ではこんな事があった。

ある村の、かなり豊かな家があったが、飢饉のせいで、家族六人のうち四人が餓えで死んでしまった。

父親と十歳の子だけが残った。

父親は、こうしてはおれんと思い、家中のものをありったけ背負い、子を家に残し、町へと出かけた。

 

身も悶える寒い日だった。

口に入れるものは何も無い。

子は餓えに耐えかね、床に落ちてた煤けた縄を噛んでいる内に、我が指をしゃぶり、食いちぎってしまった。

父親が戻ってくると、子が血に塗れ、泣きながら自らの指を食っている。

余りの切なさに、父親は涙も出ず、呆然と立ち尽くした。

そして気を取り直し、買ってきた僅かばかりの食べ物を子にお腹一杯食べさせた。

そして寝入ったところを、鎌で首を掻っ切って殺し、更に自分も自分のはねて死んだ。

 

そこへ、他所に嫁入った娘が父と弟の身を案じてやってきた。

見ればこの有様だ。

彼女は泣く泣く夫の下へ戻って、夫にいうと、

「おれ達も、いつ死んじまうか分からぬ身だ。葬式を出す時節でもないから、家に火をかけて来い。犬に食われでもするより良かろう。おれも後からいくから。」

そう言われてそのまま戻っていった。

そして火をかけようとしたが、二人の死体を見ているうちに、空腹に耐えかね、囲炉裏の火に、死体の片腕を炙ってみた。

二人とも食っていってしまった。

餓えを満たすと、もう親も無い、兄弟も居ない。

後からやってきた夫と自分の子を鎌で討ち殺し、これも食った。

 

女はもう人間では無くなった。

腕や脚は太くなり、目の色も異様に光り、髪を振り乱して野を駈けずり周り、死人を求めて彷徨った。

飢饉の中なので死人の数は計り知れなかったから、群がる犬を蹴散らし、人間の死体に齧り付く。

遂には生きている人間の子供にも手を出すようになった。

こうなると放っておけなくなり、村の者は集まって、鎌や鍬を振り上げ女を追い払った。

が、振り上げる腕はおぼつかなく、かえって獲って食われそうだった。

 

ようやく山中に追い払ったが、今度は薪を取りに入る者を襲った。

村中困り果てたが、遂にある猟師の鉄砲の弾に撃たれて、死んだ。

生きながら鬼になった女の話だ。

 

 

 

平賀町という所にも悲惨な話が残っている。

松野部落の、ある下の川の崖下が、赤ん坊の捨て場になった。

その崖は崩れやすく、這い登れないからであろうか、いつと無くそこに捨てるようになった。

まだ生きている内に捨てるのだから、泣き、叫び、崖をよじ登ろうとしては、土もろとも崩れ落ちる。それでも赤ん坊は、母親の乳を求めては這い登ろうとする。

幼い指からは血が滲み、やがて力尽きて泣き声も次第に細くなる…。

朝になれば烏が黒雲の様に襲い、目を啄ばみ、腹を裂いて更に啄ばんだ…。

 

…ある夜。一人の老婆が実の息子に引きずられて崖の上に来た。

「助けでくれ!助けでくれ!!もう決して食いたいなんて言わねぇがら!!」

老婆は泣き叫んだが、息子は聞く耳を持たない。

そしてむしゃぶり来る老婆を崖の下へと突き落とした。

川原に転げ落ちた老婆はしばらく息が出来なかったが、ようやく辺りを見回し、ゾッとした。

見渡す限り赤ん坊の白骨、腐乱した赤ん坊の死体、烏に食い荒らされたままの赤ん坊の死体。

そして今尚生きる赤ん坊のすすり泣き…。まさに地獄であった。

「おら、死にだくねぇ…、死にだくねぇよぅ…!」

老婆は土を掴み、よじ登ろうとして、ハッと気が付いた。

掴んだのは、そう…、千切れた赤ん坊の足であった。

 

恐らく烏の食い残しか、落とされたときに千切れ飛んだ赤ん坊の足なのだろう。

 

投げ捨てようとして、老婆は手を止めた。

ノロノロとそれを我が口に持っていき、気が付いたときには骨までソレをしゃぶっていた。

それ以来、老婆は捨てられた赤ん坊を食って、命を繋ぐようになった。

獲物を奪われた烏は不気味に輪を描いて飛び、やがて老婆に襲い掛かった。

「しっ、しっ!あっちさ行げ!!」

老婆は朽ちた木の枝の様な手を振ったが、烏の群れは一向に襲うのをやめない。

 

老婆は立ち上がって、振り払おうとした。

しかし、老婆は赤ん坊の骨に足を滑らせ、転倒した。

その瞬間、烏達はそれを合図とするかの如く、老婆をつつき始めた。

目を抉り、着物を引き裂いた。

老婆は崖の土を掴み這い登ろうとしたが、土はいたづらに崩れるばかり。

烏は容赦なく、その髪を、足を、そして手を引き裂いた。

やがて、烏達が飛び立った後に横たわっていたのは、

白骨と化した老婆の死体だった…。

 

そのときより、この川を『崩川』と呼ぶようになった…。

飢饉が納まってからも、そこからは、夜な夜な、赤ん坊のすすり泣く声や老婆の悲痛な叫びが、夜風に混じり聞こえてきたという…。

画像出典元:blog.goo.ne.jp/guapo007

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